コリントの信徒への手紙二4:13-15

主イエスを復活させた神が、イエスと共にわたしたちをも復活させ、あなたがたと一緒に御前に立たせてくださると、わたしたちは知っています。    (二コリント4:14)

ここで、パウロが信じていることは三つあります。第一に、「主イエスを復活させた神」とありますように、父なる神様が十字架上で死んだキリストを復活させてくださったということです。これはすでに起こった過去の出来事です。

第二に、「イエスと共にわたしたちをも復活させ」とありますように、父なる神様がキリストと同じようにパウロたちをも復活させてくださるということです。これは、終わりの日に起こる将来の出来事です。パウロはコリントの信徒への手紙一15章20節で「キリストは死者の中から復活し、眠りについた人たちの初穂となられました」と記していました。「初穂」というのは大麦や小麦の最初の収穫のことです。「初穂」があるということは、その後の収穫もあるということを意味しています。つまり、最初に復活したキリストが最初の収穫である「初穂」のようなものであり、終わりの日に復活するパウロたちは「初穂」に続いて実る畑の収穫のようなものだと述べているのです。時間的に言えば、キリストの復活はすでに起こった出来事で、パウロたちの復活は将来のことです。しかし、キリストと信仰によって結ばれているからこそ、キリストと同じように永遠の命の体に復活することができるのです。そこで、パウロは「イエスと共にわたしたちをも復活させ」というように、終わりの日の復活について述べているのです。

パウロが信じている第三のことは、14節の終わりにある「あなたがたと一緒に御前に立たせてくださる」ということです。ここで「あなたがた」というのは、言うまでもなくコリント教会の信徒たちのことです。また、「御前に立たせてくださる」というのは、終わりの日に永遠の命の体に復活させて、父なる神様とキリストの前に立たせてくださるということです。つまり、パウロたちもコリント教会の信徒たちも、終わりの日にはキリストと同じような永遠の命の体に復活させられて、父なる神様とキリストの前に立つことができる、という救いの希望が述べられているのです。これは究極の希望と言ってよいでしょう。

(6月6日の説教より)