聖書　ローマの信徒への手紙8:12-17

それで、兄弟たち、わたしたちには一つの義務がありますが、それは、肉に従って生きなければならないという、肉に対する義務ではありません。
に従って生きるなら、あなたがたは死にます。しかし、霊によって体の仕業を絶つならば、あなたがたは生きます。
神の霊によって導かれる者は皆、神の子なのです。
あなたがたは、人を奴隷として再び恐れに陥れる霊ではなく、神の子とする霊を受けたのです。この霊によってわたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶのです。
この霊こそは、わたしたちが神の子供であることを、わたしたちの霊と一緒になって証ししてくださいます。
もし子供であれば、相続人でもあります。神の相続人、しかもキリストと共同の相続人です。キリストと共に苦しむなら、共にその栄光をも受けるからです。 （ローマ8:17）

「キリストと共同の相続人」ということは、キリストが父なる神から受けたものを私たちも受け継ぐということです。そして、キリストが父なる神から受けたものとは、朽ちることのない永遠の命です。エフェソの信徒への手紙には次のように記されています。「あなたがたもまた、キリストにおいて、真理の言葉、救いをもたらす福音を聞き、そして信じて、約束された聖霊で証印を押されたのです。この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証であり、こうして、わたしたちは贖われて神のものとなり、神の栄光をたたえることになるのです。」（エフェソ1:13-14）「この聖霊は、わたしたちが御国を受け継ぐための保証」とありますが、「保証」と訳されているアラボーンというギリシア語は、代金の一部分を前払いするいわゆる手付のことです。聖霊は、永遠の命を受け継ぐ神の子たちに対して、その手付として父なる神から与えられているものなのです。この聖霊によって私たちは神の子としての身分を保証され、父なる神の名を呼んで交わることができるのです。
このように考えてみますと、キリストを信じて神の子とされた者たちは、奴隷ではなく神の子の霊を与えられた自由な身分の者たちだということが分かります（ローマ8:15、ガラテヤ4:7）。すなわち、神の国における永遠の命を受け継ぐという、最も貴い身分を与えられた者たちなのです。一人一人が自由で貴い者として、父なる神に対して自発的に服従し、責任を負って生きているのです。神の子の霊を受けて、日ごとに天の父との交わりのうちに歩まされているのです。ですから、神様との関係においても、またお互いの関係においても、神の国の世継ぎとして神の子という身分を保証された者である喜びを、大切にしてまいりたいと思います。　　　　　　　　　（5月20日の説教より）