主の言葉に基づいて次のことを伝えます。主が来られる日まで生き残るわたしたちが、眠りについた人たちより先になることは、決してありません。 (一テサロニケ4:15)

キリストはこの地上におられたときに、終わりの日についてどのように教えておられたのでしょうか。マタイによる福音書24章30-31節には、次のように記されています。「そのとき、人の子の徴が天に現われる。そして、そのとき、地上のすべての民族は悲しみ、人の子が大いなる力と栄光とを帯びて天の雲に乗って来るのを見る。人の子は、大きなラッパの音を合図にその天使たちを遣わす。天使たちは、天の果てから果てまで、彼によって選ばれた人たちを四方から呼び集める。」この言葉には、本日の箇所のテサロニケの信徒への手紙一4章16-17節でパウロが終わりの日について教えていることと共通するものがあります。大まかに言えば、キリストが天から降って来ることと、選ばれた人々が呼び集められるということです。ただし、「キリストに結ばれて死んだ人たちが、まず最初に復活し」(16節)というような死人の復活は、このマタイによる福音書のキリストの言葉の中には含まれていません。しかし、選ばれた人たちを四方から呼び集めるということには、死者を復活させて呼び集めるということも含まれているのかもしれません。

ヨハネによる福音書5章28-29節には次のようなキリストの言葉が記されています。「驚いてはならない。時が来ると、墓の中にいる者は皆、人の子の声を聞き、善を行った者は復活して命を受けるために、悪を行った者は復活して裁きを受けるために出てくるのだ。」このキリストの言葉では、終わりの日の復活という考え方が極めてはっきりと教えられています。したがって、先ほどのマタイによる福音書24章30-31節と合わせて考えてみますと、キリストは終わりの日について、①ご自身が天から降って来ること、②そのとき選ばれた人々が呼び集められること、③そのとき死者が復活し正しい人は命を受けること、の三点を教えておられたことが分かります。そして、このことは本日の箇所の16-17節でパウロが教えていることと、ほぼ一致しているのであります。          (10月23日の説教より)