コリントの信徒への⼿紙⼀15:20-24(新約321 ⾴)
死が一人の人によって来たのだから、死者の復活も一人の人によって来るのです。つまり、アダムによってすべての人が死ぬことになったように、キリストによってすべての人が生かされることになるのです。(一コリント15:21-22)
人類の先祖であるアダムが神様に背いたことによって、人類は命の源である神様との正常な交わりを失ってしまいました。しかし、神様との正常な交わりを失ってしまった人類に対して、神様は交わりを回復する道を準備されました。すなわち、神様は人類の歴史の中に神様との交わりを求めて生きる人々を起こして、神様との正常な交わりに立ち帰るように人類を導こうとされました。神様との交わりを求めて生きる人々とは、旧約聖書のイスラエルの人々のことです。そして、イスラエルの人々の歴史のクライマックスとして、神様は救い主である神の子イエス・キリストを人類に遣わしてくださったのです。
イスラエルの人々は、奴隷であったエジプトから脱出した後、モーセを通して十戒を与えられ、神様に従う生き方がどのようなものであるかを教えられました。ところが、イスラエルの人々はこの十戒に反する道を歩んだために、神様の裁きを受けて滅んでしまったのです。そこで、神様は、神の教えに逆らう人類を救うために、独り子イエス・キリストを人としてこの世に与え、十字架で贖罪の死を成し遂げさせ、さらに三日目に永遠の命の体に復活させてくださったのでありました。このキリストの十字架と復活を信じることにより、人は罪を赦されて神様との正常な交わりをすることができるようになりました。そして、命の源である神様との正常な交わりを回復したことによって、永遠の命を受けることができるようになったのであります。アダムによって失われた神様との正常な交わりが、イエス・キリストによって回復されたのであります。このことをパウロは22節で「アダムによってすべての人が死ぬことになったように、キリストによってすべての人が生かされることになるのです」と記しているのです。(5月3日の説教より)