聖書のことば テサロニケの信徒への手紙二2:15-17

わたしたちの主イエス・キリスト御自身、ならびに、わたしたちを愛して、永遠の慰めと確かな希望とを恵みによって与えてくださる、わたしたちの父である神が、どうか、あなたがたの心を励まし、また強め、いつも善い働きをし、善い言葉を語る者としてくださるように。 (二テサロニケ2:16-17)

 この祈りの言葉は二つの重要な点を私たちに教えています。一つは神様に対する堅固な信頼です。「わたしたちを愛して、永遠の慰めと確かな希望とを恵みによって与えてくださる、わたしたちの父である神」という長い主語は、パウロが神様によせる信頼の篤さを物語っています。神様は「永遠の慰めと確かな希望とを恵みによって与えてくださる」方であります。この世の歩みにおいて私たちは労働をし収入を得て、その収入により代価を払って日ごとの糧を得ております。この世の朽ちゆく体を養うために、私たちは毎日働かなければなりません。ところが、来るべき世の朽ちることのない永遠の命は「恵みによって」無償で与えられるというのです。私たちのために十字架上で死んで復活したキリストをただ信じることによって、「永遠の慰めと確かな希望」が与えられるのです。何とすばらしいことでしょうか。このことに堅く信頼して信仰生活をなしたいものであります。

 もう一つ大切な点は、心から信じる者はこの世においても言葉や行いの善き実を結ぶことができるという喜ばしい事実です。「どうか、あなたがたの心を励まし、また強め、いつも善い働きをし、善い言葉を語る者としてくださるように」という祈りを持つことができるのです。信仰とは確かに心の問題です。しかも、心の最も奥深いところに関わる問題です。しかし、私たちの心の奥深くに信仰の火をともしてくださる神の聖霊は、私たちの口から出る言葉の一つ一つから日ごとに積み重ねていく働きに至るまで、すべてを導いてくださる方であるということを忘れてはなりません。「霊の結ぶ実は愛であり、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制です。」(ガラテヤ5:22)聖霊の働きによって、これらの美徳が信仰者の言葉や行いにおいて実を結ぶのです。 (4月9日の説教より)