「志木北教会建設式」藤井てる子

4月28日の主日礼拝が終り空を見ると、4月とは思えない夏空が広がっていました。この地で50年前から願い続けてきた「教会建設」が、いよいよ現実のものとなる日が来たのです。

会場準備を始める。教会員みんなが笑顔で協力する。定刻を迎え、司式の村松牧師が講壇に立ち、全員で讃美歌191番を歌う。教会堂に美しい讃美の歌声が響く。

次第に式は、長老の任職・誓約へと進む。前に立つ私たち新長老に向かい、司式者から発せられる言葉は何と重いことであろう。そして、按手礼(あんしゅれい)が厳粛に行われると、いよいよ覚悟を決めなくてはならない。続いて、牧師の就職に三好牧師が前に出る。誓約の一つ一つに先生が静かに答える。教会員の誓約の後、藤井牧師から「成長させてくださったのは神です。」という勧告をいただく。

祝福と感謝のうちに建設式が終り、記念撮影を挟み感謝会に移る。私は司会を仰せつかっている。4名の方々から心のこもった祝辞をいただき、感謝会は和やかな雰囲気の内に閉会となった。

全てを終え帰路に着く途中、突然我に返りました。按手礼の後は、自分の声ではなかった。その声は自信に満ち、足は軽やかに動き、身体は何かに温かく包まれていた。何とも言い難い安堵感、居心地の良さであったことを思い出した。神様がご臨席してくださっていたのだ。

(日本キリスト教会出版局『福音時報』2024年7月号掲載)

 「教会建設式」とは?

日本キリスト教会では、一定の地域の教会の牧師と長老の会議である「中会」がそれぞれの教会を建設します。「教会建設式」は、これまで財政的に「中会」から支援を受け、また人的に「中会」から牧師を派遣してもらっていた「伝道所」が、独立した信仰の共同体である「教会」になるための式です。

「教会建設」と言っても、建物を新しく建てるという意味ではなく、キリストを信じる信仰の共同体を建てるという意味です。つまり、主体的に牧師を招き、財政的に支援を受けず、牧師と長老による自治を行う独立した信仰の共同体を建てるという意味です。

私たちの教会は東京中会に所属しています。そこで、「教会建設式」の中では、東京中会から派遣された教会建設委員の司式により、長老の任職式と牧師の就職式が行われます。また、東京中会の諸教会の牧師や信徒が出席して、「教会建設」の証人となり「教会建設」を祝います。

 これは、日本キリスト教会に属する教会の基本的なルールである日本キリスト教会憲法と規則に次のように定められていることに基づいています。

日本キリスト教会憲法第1条

1.日本キリスト教会は、一つの聖なる公同の使徒的教会に属し、長老制をとる
一団の教会であり、個々の教会および伝道所からなる。

2.教会は、小会を組織する日本キリスト教会会員の集団であって、信仰の告白
ならびに憲法・規則にもとづき、中会によって建設される。

3.伝道所は、まだ小会を組織するに至らない集団であって、信仰の告白ならび
に憲法・規則にもとづき、中会によって開設され、その権能は中会が行使する。(以下略)

日本キリスト教会規則第1条

1.中会は、次の要件を備える会員の集団が願い出たときは、教会を建設するこ
とができる。

⑴ 現住陪餐会員の中から長老を選挙し、小会を組織できること。

⑵ 経済的に自立し、中会および大会に対する責任を担えること。(以下略)

これらのルールに基づき、「志木北伝道所」は「教会建設」を東京中会に願い出て、その願いが2024年3月20日の定期東京中会において可決され、このたび「教会建設式」が行われました。

「教会建設」を東京中会に願い出るまでの歩みについては、このホームページの「教会の歩み」をご覧ください。